Klaytnは、企業によるユーザー向けブロックチェーンを提供する、サービス中心のブロックチェーンプラットフォームです。韓国最大のモバイルプラットフォーム「Kakao」の子会社である「Ground X」が開発しました。
Klaytnは、エンドユーザーのみでなくブロックチェーンの独立運用のためのプライベートチェーンを提供しています。また、データ保護目的でパブリックチェーンの利用を避けたい企業向けにサイドチェーンと呼ばれる独自の第二層ソリューション(サイドチェーン)も提供しています。
Klaytnはモバイルアプリケーション内のブロック生成間隔を1秒に抑え、TPS毎秒4,000件を実現しました。この性能は今後も向上すると予想されます。
現在、Dapp.comには、Cosmochainとともに24時間ユーザー数 (as of 9/4/2019)・トランザクション数双方にランクインしている8つのKlaytn dappsがあります。Klaytnを使った独自のdapps開発を考えている方にとって、Klaytnがいかに他のブロックチェーンと異なるか、またなぜKlaytnを選ぶべきかを理解することは不可欠です。こちらの記事では、Klaytnネットワークを支える5つのメカニズムをご紹介します。
Klaytnのエコシステムでは、dapp (decentralized app)の代わりにBAppという言葉を使います。Klaytnのポジションペーパーに記載があるように、dappは分散性にフォーカスしたアプリです。しかし、全てのアプリがdappである必要はありません。また、パブリックチェーン上で運用されているといっても、一概にdappであるとは言えません。ブロックチェーンには分散性以外にもたくさんの強みがあるのです。
BAppという言葉には、Klaytnのそのような意図が含まれています。ブロックチェーンの本質的な特徴である、透明性やトレーサビリティ、不変性、匿名性などを活用することができるのです。
Klaytnの4つのメカニズム:
従来、ブロックチェーンのプルーフ・オブ・コントリビューション(PoC)はマイニングのプロセスの中で使われていました。しかし、KlaytnのPoCはトークンエコノミー内の全ての参加者に補償されるよう設計されています。
現在Klaytnは、サービス事業者(エンドユーザにブロックチェーンアプリを提供)とエンドユーザ(サービス事業者の顧客)の、2つの経済主体にフォーカスしています。
ビザンチン障害耐性は、2つのノードが同じデータを表示することでネットワーク上での安全な情報伝達を可能にします。コンセンサスは、ロイヤルまたは非障害ノードが匿名の合意を結ぶことで得られます。
ピァ・トゥ・ピァ(P2P)ネットワークにおいてノード数が固定かつ少数の場合、BFTの使用はプルーフ・オブ・ワーク(PoW)をベースとしたコンセンサスに有利に働きます。処理能力が高く、暗号パズルを解く際にエネルギーを消耗しないのです。
BFTは、複数のノードが賛同できる最も効率的なアルゴリズムではありませんが、非同期ネットワーク上で繋がるたくさんのノードによるトランザクションを、パフォーマンスを欠かずに保証することができる実践的なアプローチのひとつと言えるでしょう。
Klaytn企業プロキシはオフチェーンプロキシで、BAppサービス事業者向けに2つの用途を提供しています。ブロックチェーンにおいて避けられない技術的な障害を減らし、Klaytnブロックチェーンと従来のデータベースの統合をサポートするのです。
ビザンチン耐性をベースとしたコンセンサスアルゴリズムを使用しているため、多くのノードを抱えるのは不利となりますが、この問題に対してKlaytnは、各ラウンドのコンセンサスノードのサブセットをランダムかつ検証可能な方法で選出することで対処しています。VRFによって、ランダムかつ正確なノードのサブセットを選出することが可能になります。
ラウンド毎のコンセンサスノード数を制限(7~16)することで、参加者に公平なチャンスを与えつつコンセンサスを迅速に行うことができます。その結果、KlaytnはBFTアルゴリズムによってパフォーマンス向上を維持しつつ、分散的ネットワークを実現しているのです。
Source: Klaytn Docs, Klaytn PositionPaper